母が74,5歳の頃,「お母ちゃんって,あと10年は大丈夫だよね」「長生きしそうだよな」などと弟と話して笑っていた.5年前,78歳で母は死んだ.今日は,母の誕生日だ.生きていれば83歳だ.

連絡もなく欠勤している人の自宅へ行ったら,亡くなっていた.今日,そういう事態が起こった.初めてのことではない.これまでにも,何度もこういったことはあった.かつて,警察からの自殺者の身元確認の電話を取ったこともある.

社会に出ると,さまざまな死に出会うようになる.昨日,送迎バスで見かけた人の訃報を聞いたり,一緒の宴席で楽しく過ごした人が,その帰り道に事故で亡くなったり,帰り際に言葉を交わした同期入社の人が,数日後突然死したり.
死は,特別でありながら日常となり,歳月と共に「明日は我が身」の実感が重くなる.
薄目を開けて,横目で見る隣人.今,そんな存在の死は,しかしある時突然,自分と一体になってしまうのだ.見えていない振りをして,恐怖から逃れる.そうして過ごす日々の中で,命は死を迎えつつあるのだ.




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